2013年8月9日金曜日

高血圧の合併症

高血圧の合併症

日本チャリネ一座
今回は、高血圧の合併症のお話をします。

高血圧により起こる合併症には次のようなものがあります。


1)   に生じる合併症

  • 脳梗塞,脳出血,くも膜下出血
脳出血は高血圧ともっとも関連するが、最近は降圧薬治療がうまく行われるようになったため、その頻度は減少してきています。

一方、脳梗塞の頻度はむしろ増加し、その発症年齢も高齢化しているようです。

脳卒中の結果として片麻痺、失語症、認知症など寝たきりの原因となりやすい後遺症を残すため、社会的、経済的観点からも高血圧の予防はきわめて重要です。


2)   心臓に生じる合併症

  • 狭心症,心筋梗塞

心筋梗塞狭心症などの冠動脈の硬化によって心筋への血流が阻害されることで、心筋障害を起こします。

高血圧が虚血性心疾患の重大な危険因子であることは間違いがないが、高コレステロール血症、喫煙、糖尿病、肥満などの関与も大きく、最近では腹部内臓型肥満に合併した高血圧や高トリグリセライド血症耐糖能異常などが冠動脈疾患のリスクであるとされ、メタボリック症候群として注目されています。

  • 心肥大,心不全
高血圧が持続すると心臓の仕事量が増えて、心筋が肥大し、肥大した心筋はさらに高血圧の負荷によって拡張し、最終的には心不全に陥ります。

また肥大した心筋では冠動脈からの血流も減少するために、虚血に陥りやすく、不整脈虚血性心疾患の大きなリスクとなります。


3)   腎臓に生じる合併症

  • 蛋白尿,慢性腎臓病,腎不全
腎臓糸球体細動脈の束になったものであり、高血圧によって傷害されます。

また、糸球体高血圧がレニン-アンギオテンシン系を賦活するためさらに血圧を上昇させます。

糸球体は廃絶すると再生しないため、糸球体障害は残存糸球体への負荷をさらに強め、最終的には腎不全となり人工透析を受けなければならず、やはり社会的、経済的な負担は大きく、その進展予防は重要になってきます。


4)   その他

  • 眼底出血,網膜静脈閉塞症,大動脈解離,大動脈瘤,末梢動脈疾患
高血圧性網膜症や、網膜動脈・網膜静脈の閉塞症、視神経症など様々な眼障害を合併します。

また、胸部や腹部の大動脈の壁の一部が動脈硬化性変化によって薄くなり、膨隆した状態を大動脈瘤といい、内径が5cm以上になると破裂する可能性が高くなるので、手術適応となります。


高血圧により発生する合併症は、以上が主だったものになります。

どれも一度は聞いたことのある疾病ばかりですね。

とても怖いです・・・・・ (;一_一)

次回からは高血圧の治療についてお話していきますね。

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